Storyteller
TOKYO SOCIAL DESIGN 代表
加藤 未礼
TOKYO SOCIAL DESIGN代表。2008年に始めた東京都板橋区立小茂根福祉園のブランディングを皮切りに、福祉事業所の生産品や福祉喫茶、障がいのある人の表現活動などのコーディネートを全国で展開している。ほかにもTalk Tree WORKSHOPによるSDGsの推進活動や板橋宿不動通りの広報など、幅広く活動している。
福祉と産業で人の活動の循環をつくる
TOKYO SOCIAL DESIGNの業務はギャラリー運営やデザインなど多岐にわたり、加藤さんはその代表を務めています。現在の仕事を始めるまでに、障がいのある子どもと関わるアルバイトや、インテリア・雑貨の販売員などを経験し、2008年から小茂根福祉園のコーディネーターとなりました。
「きっかけは小茂根福祉園に通うお母様の紹介で、当時の園長が商品販売のアドバイスをするコーディネーターをちょうど探していたのです。2023年までは小茂根福祉園のコーディネーターを務め、大切にしていたことは『Yes! I’m here.』。障がい者でも健常者でもなく、私は私の名前で呼ばれたいという思いがここには込められています。『KOMONEST』のブランド展開、販売を通じて、障がいのある方たちの存在や福祉のことを少しでも知ってもらうきっかけにできたと感じています」
加藤さんは他にも、赤塚福祉園で作られたしおりの販売などにも関わっていました。さらに7年前からは、板橋宿不動通り商店街で障がいのある方たちの作品を展示するためのギャラリーをオープンしています。昨年より「いたばし絵本さんぽ」の会場にもなっており、2週間もの間、近隣の店舗と一緒に原画やカードを作って置いているそうです。
「障がいのある方たちの作品を展示したいという思いでギャラリーをスタートしました。他にも、マスコットキャラクターのラッピーの顔はめパネルやシールを作ったり、商店街で生活する人に取材をして話を聞いてまとめたり。イベントなどを通じて商店街の文化と経済をつなぎ、地域の人たちの心を豊かにしたいという想いで活動しています!」
「人」に焦点を当てた幅広い活動に取り組む加藤さん。SDGsや社会課題を障がいのある人たちのフィールドから見てきたからこそ、アートを通じて課題とその解決方法を発信していきたいと話します。
「私はSDGsが出てきたときに、チャンスだと思いました。利益を追求する産業とそうではない福祉は交わりにくい側面があります。ですが、SDGsやそのプラットフォームは両者を近づける交流の場になるはずです。私たちの活動が地域や社会をより良くしていき、そこで出た新たな問いをともに解決していく。すべての人たちがそういった循環の仕組みの中にあると思えるようにしていきたいです」
SDGs未来都市の板橋区としての取組「絵本のまち板橋」についても最後にこのように語ります。
「『絵本のまち板橋』にはすごく共感しています。絵本は誰にとっても親しみやすい文化なので、その文化を中心に地域の人たちが板橋を誇りに思えば、もっとよくしていけるはずです」
私の理想のいたばし!
SDGsという言葉が出てくる前から考えていたのですが、社会は循環している姿こそが理想だと思います。すべての人の仕事や活動を社会の仕組みの中において、すべての人が障がい者としてでも健常者としてでもなく、自分らしさを表現できる社会にしていきたいです。
私のちょこっとSDGs
SDGsマルシェで、ごみの持ち帰りだったり、分別を意識させるようなブースをつくったりして、ごみの捨て方を改めて意識させるような取組を行いましたね。ごみの分別は、区民の方の生活にもすごく身近だと思いますので、改めて意識を高めてもらいました。
Profile
TOKYO SOCIAL DESIGN
わたしたちは、誰かが誰かに届けたい思いをカタチにするお手伝い、また自分の中にある思いをカタチにする場をつくっています。そして生まれた誰かのウェルビーング。それは巡り巡って社会を豊かにします。