Storyteller
株式会社TOK 代表取締役社長
吉川 桂介
家電製品などの機構部品※1の開発・製造・販売を手がける株式会社TOKで、2015年より代表取締役を務める。品質とサステナビリティの両立を意識し、材料の再利用を前提とした製造のほか、働き方改革や、設備の貸出を通じた地域貢献にも取り組んでいる。
※1 機械や装置の動作を担う部品。TOKの主力製品であるベアリング(引き出し部分等のスムーズな動きを実現する部品)などが該当する。
やれることは何でもする、TOK流のサステナビリティとは
板橋区小豆沢に本社を置く株式会社TOKは、冷蔵庫やトイレなどに用いる機構部品の製造・販売業を国内外で展開しています。身近なものの動作の“核”となるTOKの製品を、吉川さんは「メカニカル“コア”パーツ」と名付け、「動き」で社会に貢献する会社を目指しています。
「まだこの世にない新しい『動き』をもつ部品の開発によって、ユーザーが製品に求めるさまざまな機能を実現したい。そんな想いから、10年前の代表就任以来『Create New Motion』を会社のスローガンとしています。私たちの製品が“核”となり、誰かの暮らしを支えていければと考えています」
革新的なモノづくりを掲げつつ、社内の働きやすい環境整備にも取り組んでいる吉川さん。充実した福利厚生で、社員のライフワークバランス実現に向けて、2018年には「いたばし good balance 会社賞」を受賞しました。
「社員一人ひとりが幸せに働き続けられることが何よりも大切で、そのためにさまざまな工夫を行っています。例えば、毎週金曜をノー残業デーとしたことで、社員からは『生活リズムが立てやすくなった』との声を聞きました。働き方にメリハリをもたせることが、製品の質の向上にもつながると嬉しいですね」
2024年10月に、一般社団法人ロカーレ主催の「しむらん通り食堂」※2が、TOK本社オフィスの社員食堂で行われました。
「以前から、会社の施設や設備を、地域に暮らす方々のために役立てられないかと考えていました。多くの区内企業・団体の皆さまとのネットワークをもつ板橋区社会福祉協議会さんなら、施設を利用したい方々とつないでくれるのではないかと相談したところ、ご紹介いただいたのがロカーレさんです。ローカルなご縁のおかげで、今回の取組が実現しました」
TOKとして初の試みだった子ども食堂の開催。当日は社員もスタッフとして参加しました。
「当日は約100名のお子さんが集まり、ご飯の提供のほか、英語を使ったゲームなどを楽しみました。テレワークの社員が増え、以前より利用者の少なくなった社員食堂に、久しぶりににぎわいが戻り嬉しかったですね。今後も地域の皆さまに、会社の施設をご活用いただけるような活動に取り組んでいきたいです」
2025年で創業100年を迎える株式会社TOK。会社と自分自身の今後について、吉川さんはこのように話します。
「機構部品で社会に貢献するという事業方針をコアとしつつ、施設の活用や働き方の見直しなど、社員や地域にとってのよりよい未来につながることは何でも行っていきたいです。そういった姿勢が、自分の幸福感にもつながるのだと思います」
※2 一般社団法人ロカーレが、板橋区の志村地域周辺でひと月に1回ほど行っているこども食堂。
私の理想のいたばし!
設備の無償での貸し出しなどを積極的に行い、板橋区民の皆さまに少しでもメリットを提供できればと思います。
私のちょこっとSDGs
区民農園※3を利用して、大根、白菜、ニンジンなどの自給自足に取り組んでいます。たくさん採れた分は社員にも配っています。
※3板橋区が区民を対象に行っている、区内農地の貸し出し制度。詳しくはこちら。