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中央大学発のベンチャーが生み出した
世界初の生体模倣型ソフトロボットで
持続可能なインフラの実現へ

2025.02.06
株式会社ソラリス
代表取締役 CEO
梅田 清
目標11
目標17

Storyteller

株式会社ソラリス 代表取締役 CEO

梅田 清

1997年岡山大学大学院工学研究科修了後、キヤノン株式会社に入社し、インクジェットプリンタの製品開発を長年手がける。2018年にKyoto Robotics株式会社で開発部長を務めた後、2020年から株式会社ソラリスに参画。2021年より現職。

ミミズ型ソフトロボットの開発にパートナーとともに挑む

株式会社ソラリスは、中央大学理工学部精密機械工学科バイオロボティクス・メカトロニクス研究室において中村太郎※1教授が20年以上研究してきた、生体模倣※2型のソフトロボット※3の社会実装に取り組んでいる会社です。コア技術である空気の出し入れで伸び縮みする人工筋肉を使って、さまざまな生物の動きを参考にした製品の開発に、中村教授や研究室の支援を受けながら挑戦しています。

「元々は中央大学理工学部のある文京区に活動拠点を置いていたのですが、さらなる事業拡大に向けて板橋区へ移転しました。その際にさまざまな補助や取組について教えてもらったことが、板橋区さんとのお付き合いが始まったきっかけですね」

ソラリスさんは、2024年に令和6年度板橋製品技術大賞にてミミズ型管内走行ロボット「Sooha®」で最優秀賞を獲得しました。「Sooha®」はミミズの動きを再現した細長い形のソフトロボットで、下水道や工場の古いパイプなどのとても細い配管へと入り込むことが可能です。この特徴を生かして、人や機械が入れないような場所の清掃や点検、整備などへの活用が広く期待されています。ほかの誰にもまねできず、事業化できればビジネスチャンスになる、と2021年に立ち上げられた「Sooha®」に初期段階から携わっている梅田さん。開発にはさまざまな苦難があったと語ります。

「初期の試作機はまったく思い通りに動きませんでした。2年目には、なんとかラボの中で動かせるようになったのですが、それでも本番の下水道を想定した環境では壊れてしまって。ラボの外での実験に耐えられるプロトタイプがようやく完成したのは、3年目のことです。試行錯誤を重ねるうちに、次第に色々なところから、使ってみたい、見に来てほしいという声をかけていただけるようになりました。少しずつ私たちの事業が知られていき、反響が聞こえてくるにつれ、私たちとしても『Sooha®』に確かな手ごたえを感じられるようになっていきましたね」

現在は、区内で製造業を営む企業を協業パートナーとして、製品化に向けてさらなる改良に取り組んでいると語る梅田さん。受賞や区からの紹介をきっかけに、協業の輪が広がったとのこと。コントローラーの設計開発や金属部品の加工など、自社内だけでは難しいことを、それぞれに強みを持つ地域の製造業の力を借りながら行っています。

「『Sooha®』の製品化は世界初の試みで、まだ誰もやったことがないOne and Onlyのチャレンジと言えます。だからこそ今後も私たちの前には大きな壁が現れるはずです。今後もパートナー企業の力を借りながら壁を乗り越え、配管などのインフラが持続可能になる、そんな未来を実現できる世界初のソフトロボットを世界に届けたいと考えています」

※1 中村太郎:明治大学理工学部精密機械工学科教授。株式会社ソラリスの創業者であり、現在は技術顧問を務める。

※2 生体模倣:バイオミメティクス。生物の構造や機能を観察、分析した結果から着想を得て、新しい技術の開発やものづくりに生かす科学技術。

※3 ソフトロボット:素材に柔軟性のあるものを使用し、生物のような柔らかい動きを行うことのできるロボット。

「Sooha®」を板橋から世界へと広めたいと語る梅田さん
「Sooha®」を板橋から世界へと広めたいと語る梅田さん
ミミズ型管内走行ロボット「Sooha®」の試作機
ミミズ型管内走行ロボット「Sooha®」の試作機
令和6年度 第22回板橋製品技術大賞最優秀賞の賞状とトロフィー
令和6年度 第22回板橋製品技術大賞最優秀賞の賞状とトロフィー
「Sooha®」テストの様子
「Sooha®」テストの様子

Future

私の理想のいたばし!

板橋がものづくりベンチャーの聖地になるといいですね。ロボットの製品化というのは、個々の部品の仕入れから組み立て、品質評価まで、一社だけで実現することは困難であり、多くのパートナー企業が必要となります。私たちも板橋区に来た当初は、どこに自分たちとマッチングできるような企業があるのかわかりませんでしたが、区の方のサポートを受けながら、徐々に協力の輪が広がってきています。ものづくりベンチャーが「とにかく板橋に来ればものづくり参入へのハードルがものすごく下がる」というような場所になってほしいです。

私のちょこっとSDGs

音楽が好きで、趣味でピアノを弾いています。楽器演奏というのは、電気も使わないですし、出した音も環境に負荷を全くかけない。そういった理由で、非常に持続可能な趣味だと思っています。

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