Storyteller
社会福祉法人板橋区社会福祉協議会 地域福祉課長
関根 真紀子
社会福祉士。地域福祉(住民主体の福祉活動、及び行政・専門職のネットワークとの協働)の推進を目的とした「板橋区社会福祉協議会」(通称:いたばし社協)に在籍。コロナ禍以降、子ども食堂の支援や食品配付会、街かどフードパントリー※1の運営など、経済的支援が必要なご家庭へ無償で食品を提供する「『食』からつながる応援プロジェクト」※2の運営に携わっている。
※1 企業・団体から提供された食品を貯蔵している。いたばし暮らしのサポートセンターで登録したひとり親世帯が、月に1回まで食品を受け取りに来ることが可能。詳しくはこちら。(いたばし暮らしのサポートセンターについてはこちら。)
※2 詳しくはこちら。
「食」でつながる支援の輪
板橋区では、企業や農家、団体などから食品を無償で譲り受け、支援を必要とする区内の家庭へ提供する「『食』からつながる応援プロジェクト」が行われています。提供された食品は、区内68カ所※3の子ども食堂や、年二回の食品配付会を通じて、子どもたちや各ご家庭に渡っています。こうした取組は、板橋区民の声がけによってはじまったと関根さんは語ります。
「きっかけはコロナ禍でした。営業の中止や縮小を余儀なくされた飲食店や企業から、余った食材をどうにかできないかとの相談を受けました。また、区民の方から食の支援を必要とするひとり親のご家庭があるという声もいただきました。そこで、子ども食堂の方や民生・児童委員協議会とともに、急遽食品配付会を行ったところ、とても喜ばれたため、継続的に取り組んでいこうと考え、今のプロジェクトに至ります」
こうした食品配付会の開催を不定期的に繰り返していく中で、考えなければならなかったことは、より支援を必要とするご家庭に、適切に継続して食品を届ける方法でした。関係者と議論を重ねた末に始まったのが、街かどフードパントリーです。生活にお困りのご家庭に対し、相談機関を通じて食品提供を行うことで、特別に支援を必要とするご家庭に焦点を当てた、手厚いサポートが可能になったのです。
「現在350※3のご家庭の登録があり、ひと月におよそ160名が利用されます。利用者からは、『食品をいただけてありがたい』『みなさんの寄付のおかげ』といった声が寄せられています。私たちとしても、地域の多くの方々の想いと参加によって成り立っているこの活動を誇りに思います。特に食品のご提供やそれに伴う運搬協力・食品保管、交流活動を担っていただいている企業・団体の方には、感謝の想いでいっぱいです」
地域福祉に携わる中で、何よりも人々のつながりづくりを大切にしてきた関根さん。「『食』からつながる応援プロジェクト」を通じて、「食」のもつ、人と人とを結びつけるパワーの凄さを実感されました。
「食品配付や街かどフードパントリーを通じて、これまで地域や相談機関とのコミュニケーションが難しかった世帯にもアプローチできるようになりました。生活に一番必要な『食』を軸とした支援の輪を広げ、誰も取り残さない社会を実現していけたらと思います!」
※3 2024年10月31日現在。
私の理想のいたばし!
誰もがその人らしくいられる。何かあったときに相談できる人がいて、お互いに気にかけあうことができる、そんなコミュニティを持続していける地域が、私の、そしていたばし社協の理想のいたばしです。
私のちょこっとSDGs
社協事務所では、休憩時間の照明の明るさを落としたり、ゴミの分別にも注意をしています。私自身もこまめな消灯や、食品の手前どり、消費できる分だけの購入、エコバックや水筒の持参等、日ごろからSDGsを意識しています。
Profile
社会福祉法人 板橋区社会福祉協議会
「あなたにちょうどいい」 一人ひとりが幸せを感じられる。そういう地域社会づくりを進めます。
誰もが支え合いながら安心して暮らすことができる「ともに生きる豊かな地域社会」づくりを推進しています。