Storyteller
株式会社フレーベル館 保育事業部 子ども環境デザイン部長
田口 将弘
保育施設が使用する用品の企画・販売や児童書の出版等、子どもに関わる事業を展開する株式会社フレーベル館で約30年間に渡り、子どもたちが使用する玩具や遊具、教材などの企画・開発を担当。また、創業110周年(2017年)を機にスタートした「商業施設における子どもの遊び場」をデザイン・運営する事業も担当している。
地域社会とともに、子どもの成長を支える環境づくりを
商品の企画・開発に携わる際、単に使って楽しいおもちゃをつくるのではなく、子どもの成長を考えながら設計をするという田口さん。そのうえで大切なことは、「子どもを知ること」だと話します。
「子どもは大人と違って、常に育ち続けています。特に幼児期は、体もどんどん成長し、できることが増えていくので、発達段階に応じて与えるものを変えていく必要があります。それは、子どもの発達に関する知見がなければできないことです。また、人から聞いたり調べたりした情報よりも、実際に保育園などに訪れ、子どもたちのリアルな反応を現場で感じることが大事だと思っています。そのため、今でも担当者が開発する商品を子どもたちに使っていただく場には一緒に参加しています」
田口さんは商品の企画・開発のほかに、子どもの遊び場を開発する事業にも携わっています。遊び場は主に商業施設内で設置・展開をしているほか、近年は自治体と連携した取組も増えているそうです。
「遊び場づくりも子育て支援の一つだと思っています。自分が子育てしていた頃も、一人で子どもを見ているときに、頼りになったのが商業施設などの遊び場です。スタッフの目もあるため親として安心できますし、たくさんの遊具があるので、夢中になって遊ぶ子どもの姿を今でも鮮明に覚えています。今後は、その土地のニーズに応えながら、子育てしやすい環境を提供していくことで、地域社会にもっと貢献していきたいです」
板橋区とフレーベル館は、特定非営利活動法人キッズデザイン※1協議会が主催する「キッズデザインSDGsアイデアソン」※2(2024年8月21日~8月27日)に共同で参加しました。自治体とともに取り組みたいという、フレーベル館たっての希望により、キッズデザイン協議会と包括連携協定を結んでいる板橋区との間でコラボレーションが実現しました。
「企業・自治体・学生が集まり、社会全体で地域の子育てを考える機会は、とても面白いと思い企画しました。子どもたちが生き生きと育つことは、その街の未来が育つことにつながると考えています。地域のよりよい未来のため、子どもの成長を地域全体で支える社会にしていきたいです!」
※1 子どもの安全や子育ての視点を、製品やサービスに取り入れる発想。
※2 キッズデザイン視点やSDGs視点を学ぶことを目的とした、学生向けインターンシップイベント。
私の理想のいたばし!
フレーベル館が大事にしている「子どもの育ち」に、絵本はすごく重要な意味を持ちます。板橋区の絵本を軸にした子育ての取組に我々も参加し、ともに盛り上げていくことで、「絵本のまち板橋」を多くの方に知ってもらえたらと思います。
私のちょこっとSDGs
商品開発をするうえで、「つくる責任、つかう責任」を意識し、よりながく使えるものづくりを心がけています。リサイクルできる素材の使用も大切ですが、愛着を持って10年、20年と使い続けてもらうこともSDGsに繋がると私たちは考えています。