Storyteller
司産業株式会社 代表取締役
浅野 衣理奈
シナリオライターとして勤務後、司産業株式会社に入社。入社後はQMS※(Quality Management System)の管理責任者を務め、2016年から同社代表取締役に就任。
※ 品質管理システム。組織が顧客に対して提供する製品やサービスの品質を継続的に改善していく仕組み。
環境にやさしい新技術で未来を守る
司産業は、防犯や広告、内装など幅広い用途の粘着フィルムを取り扱い、印刷や施工を手がける会社です。企業に対する環境モラルが問われる今、地球にやさしいフィルムの利用や印刷方法の模索など、環境面に配慮した取組を行っています。
「私には小学生の娘がいます。彼女が大人になったときのために、地球環境を今のまま残したいという想いで環境に関わる取組を積極的に行っています。ただし、できることは限られるため、より多くの企業による環境を守るための取組が必要です。最近では、利用者側の意識の変化から、環境にやさしいことが価格よりも優先されることがあり、時代の変化を感じます」
司産業は、上板橋駅構内の「絵本のまち板橋」オリジナルデザインのラッピングにも携わっています。使われているのは、トウモロコシ由来のバイオマスを利用した環境負荷の少ないフィルム。もちろん環境にやさしい印刷技術を利用しています。
「フィルムや印刷は環境に悪いイメージを持たれがちです。しかし、このフィルムができたときに、世間の悪いイメージを取り払えるはずだと感じました。そこでフィルムを広めるための提案を区にしたのですが、そのときがちょうど『絵本のまちいたばし』の駅ラッピングを企画するタイミングだったのです。板橋の『SDGs未来都市』や『絵本のまち』の考えに共感していたことから、一助になりたいと思い無償で提供しました」
コロナ禍で地域の方々に大きく助けられたこともあり、板橋区とのつながりを意識するようになったという浅野さん。区内の小学校とのつながりについてもこのように語ります。
「複数の区内の小学校にフィルムをカットした際の余りを図工の教材として寄付することになったのです。これをきっかけに、中根橋小学校で使っていた古いスチール棚を、フィルムできれいに補修して再利用するために弊社の社員がうかがったこともありました。新品のようにきれいになった棚を見て、子どもたちにフィルムの力を感じてもらえたと思っています」
地域貢献や未来の子どもへの教育など地元愛にあふれる浅野さん。最後に板橋区のこれからについて語っていただきました。
「区民がどんどん意見を出すことが大事だと思います。もっとよい板橋区は自分たちの力で作るものなので、区民の方と力を合わせてよい区にしていきたいですね」
私の理想のいたばし!
愛するいたばしを未来へと残したいと思っています。私たちの仕事が緑を育み、緑が人を育み、人の描いた絵本が心を育む、そんな愛ある循環が続いていく板橋区にしたいです。
私のちょこっとSDGs
社内のダイバーシティを意識しています。70代後半から20代前半と幅広い世代が働いているため、世代間の考え方・常識の差が生まれることも多々あります。そんなときには対話の場を設け、社員が働きやすい環境になるよう心がけています。