Storyteller
株式会社三井住友フィナンシャルグループ 社会的価値創造推進部 上席推進役 シニアサステナビリティエキスパート
大萱 亮子
1999年に当時の住友銀行へ入行。大企業向け法人営業や国際業務、米ワシントン大への留学を経て、2023年4月の社会貢献グループ設立時にグループ長に就任。教育・体験機会の提供をベースとした社会的価値創造を掲げ、2024年より「アトリエ・バンライ」のプロジェクトを開始した。
子どもたちの「やりたい」を支える、さまざまな体験の提供
2025年4月、三井住友銀行の板橋中台出張所跡地に、子どもたちの放課後の“体験”を支援する施設「アトリエ・バンライ-ITABASHI-」※1(以下:「アトリエ・バンライ」)が誕生しました。本施設は三井住友フィナンシャルグループが企画・運営を手がけ、現在小学4~6年生を対象に、子どもたちの興味を刺激する、多種多様な図書や体験プログラムを無償で提供しています。「アトリエ・バンライ」の立ち上げにあたり、メインテーマを“体験の提供”とした理由について、発起人である大萱さんはこのように語ります。
「子どもたちの将来に向けた支援を考えたとき、物資やお金による支援の場合、恒久的に支援することは難しく、またその効果は提供が止まった時点で終わってしまいます。一方、子どもたちが“体験”という形で身につけたものは、子どもたち自身の『これがやりたい』という気持ちを形成し、生きていく上での糧になります。あらゆる子どもたちの『やりたい』を支え、チャンスを提供する。『アトリエ・バンライ』がそんな場所になればよいと考えています」
施設の設計にあたって、カーペットの色や椅子の一つ一つにまでこだわったと言う大萱さん。中でも思い入れがあるのは、学習本から小説、漫画まで約4,000冊を収容するバンライ・ライブラリーだそうです。
「一般的な図書館の配置とは異なり、子どもたちの興味が広がりやすいような、遊び心のある設計をしています。例えばサッカーを題材とした小説の隣にサッカーのルールブックを置くなど、ジャンル横断的な配置をしています。目的を持って来る子どもだけでなく、何気なく立ち寄った子どもにも、ここで何かに興味を持ってもらい、楽しい読書体験を届けられたらうれしいですね。」
「アトリエ・バンライ」では、食育やプログラミング、金融に音楽など多彩なジャンルの体験プログラムを、各業界の企業の提供により開催しています。
「多くの企業と取引のある銀行としての強みを活かして、さまざまな企業の皆さまに参加いただいております。オープン初日のプログラムでは、元々知り合いでない子どもたち同士が早速仲良くなるケースを目にし、子どもならではの素直なコミュニケーションがとても印象的でした。今後も子どもたちのニーズに応えながら、プログラムを更新していく予定です!」
また、併設の子ども食堂は板橋区内の複数の団体が運営を担っており、運営における地域との連携を心掛けていると大萱さんは話します。
「子どもたちが放課後に友だちと過ごす、ホッとできる場所として、『アトリエ・バンライ』が地域に根付いていけばと考えています。そのためには、地域の皆さまのご理解・ご協力が必要です。プログラムや子ども食堂を通して連携しながら、子どもたちの成長を見守る拠点にしていきたいです」
※1 三井住友フィナンシャルグループが社会貢献事業の一環として、地域の小学生の放課後の居場所をコンセプトに運営。利用者は事前登録をすることで、無料で施設を利用可能。
私の理想のいたばし!
地域の子どもたちが気軽に行きたいと思えるような居場所づくりを、「アトリエ・バンライ」を通して実現したいです。
私のちょこっとSDGs
福祉作業所の方々と連携し、作っていただいたお菓子をSMBCのロゴ入りの缶に詰め合わせ、業務でお客様に配布する手土産にしています。そうすることで、福祉作業所の皆さまの支援や活動の認知に少しでもつながればと考えています。