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美大生や保護者、企業との連携により
リニューアルを叶えられた
「ほっとルームプロジェクト」

2025.03.27
女子美術大学 芸術学部
アート・デザイン表現学科 ヒーリング表現領域
杉山 優子
目標4
目標17

Storyteller

女子美術大学 芸術学部 アート・デザイン表現学科 ヒーリング表現領域

杉山 優子

女子美術大学デザイン科卒業。ディスプレイ施工会社デザイナー、女子美術大学助手、IT関連会社クリエイティブディレクターを経て、現在は女子美術大学非常勤講師、個人事務所代表を務める中で、地域活動として板橋区学校支援地域本部の地域コーディネーターを務める。Co-Design※1や空間の変容が人々の心にどう作用するかに興味を持ちながら、医療・福祉施設などで実践活動をしている。

※1 実際の利用者や関係者たちと積極的に関わりながらともにデザインしていく手法。

区内企業や学生、保護者とのつながりで安らぎの空間をつくる

板橋区立上板橋第二小学校にて、教室以外でリラックスして過ごす居場所として設置されている「ほっとルーム」※2がリニューアルされました。このリニューアルにあたっては、女子美術大学の学生たちがコンセプトの考案から内装のデザイン、施工までを担当。また、区内企業のリンテック株式会社がシートの印刷に協力することで、素敵な空間が実現しました。杉山先生は、女子美術大学の講師、地域コーディネーター※3の2つの立場でこのプロジェクトを主導しました。

「私は芸術を用いて人の心を癒す『ヒーリングアート』による空間づくりを専門にしており、授業等を通じた創作活動に学生とともに取り組んでいます。12年ほど前の東京都健康長寿医療センターにアートを設置するプロジェクトをお手伝いしたのが、板橋区内での活動の始まりでした。以降毎年、授業の一環や個人プロジェクトで区内の医療・福祉施設にアート空間を施す取組を行っています」

また、上板橋第二小学校に通う児童の保護者でもある杉山先生は、友人の誘いがきっかけで地域コーディネーターになったとのこと。当初は、図書室運営のボランティアに取り組んでいたそうですが、その中で、子どもたちが休み時間にのんびりできる癒しの場所として図書室を利用していることに気付きました。そこで以前から開放されていた図書室隣の「ほっとルーム」に注目しました。

「元々の『ほっとルーム』はグレー基調の部屋で寒々しく、ほっとする雰囲気に変えたいねと先生やボランティアの中で話していました。そんなとき、大学講師として参加していた『絵本のまち板橋』推進の連携事業でリンテックさんと出会ったのです。シート制作を手掛けるリンテックさんとヒーリングアートについて学ぶ女子美の学生たちの協力があれば、子どもたちのよりよい居場所として『ほっとルーム』を生まれ変わらせられるかもしれないと思い、小学校へ産官学連携でのリニューアル提案をいたしました」

杉山先生の提案は、先生方にも受け入れられプロジェクトが始動。趣旨に賛同した女子美の有志のボランティア15名も制作に参加し、コンセプトやデザインを考案しました。決定したコンセプトは「おはなしの森」。部屋の施工には、学生とともに学校支援地域本部「上二っ子応援団!」※4の保護者ボランティアも参加し、シートパネルなどの装飾物はリンテックから提供されました。
これらの過程で、「ほっとルーム」が児童や参加者の新しい関係を生み出すきっかけの場になっていたと杉山先生は語ります。学生と児童が仲良くなったり、保護者と学生が情報を交換したり、さまざまな関係性が生まれるプロジェクトになったと感じているようです。

「人が過ごすためにデザインされた空間は、人が入って初めて完成するものだと思います。完成した部屋を誰がどのように使っていくのか。今回のプロジェクトのように、一人ではできないことも、多くの人たちの協力で大きな成果へとつながります。新しい『ほっとルーム』も地域の方に開かれた空間として、町会の方や保育園の子どもたち、地域の乳幼児連れの方も訪れる場所になってほしいです。そんなつながりをつくれる、人の関係性が広がる場所になればいいなと思います!」 

※2 ほっとルーム:板橋区立上板橋第二小学校において、通学に困難を抱える児童や気分転換をしたい児童など、すべての児童が安心して教室以外でリラックスして過ごすことができるように設置された居場所。

※3 地域コーディネーター:学校が求める支援活動と地域の人材(ボランティアや地域団体など)をつなぎ、教育支援活動などの総合的な調整を行う。 

※4 上二っ子応援団!:上板橋第二小学校に通う児童たちを地域全体で育成するために、家庭・学校・地域が一体となって、学校を支援するボランティア活動を行っている団体。

この場所を新しいつながりが生まれる場所にしてほしいと語る杉山先生
この場所を新しいつながりが生まれる場所にしてほしいと語る杉山先生
リニューアルされた上板橋第二小学校の「ほっとルーム」。童話などの物語がいくつも隠れている
リニューアルされた上板橋第二小学校の「ほっとルーム」。童話などの物語がいくつも隠れている
「ほっとルーム」で過ごす児童たち
「ほっとルーム」で過ごす児童たち
保護者ボランティアによる塗装の下地づくりの様子
保護者ボランティアによる塗装の下地づくりの様子
シートパネル設置の様子
シートパネル設置の様子

Future

私の理想のいたばし!

板橋区は絵本のまちですので、想像力が豊かになるようなアートやデザインであふれたまちになってほしいです。一人ひとりがアートに触れる機会が増えれば、それだけ豊かな時間も増え、より良い暮らしにもつながると思います!

私のちょこっとSDGs

地域コーディネーターや学校支援ボランティアなどの活動です。先生方は日々忙しい中でも、子どもたちのためにさまざまな取組をしてくださっています。しかしそこに保護者が加わることで、実現できる取組の幅がさらに大きく広がると感じています。

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